秋から冬にかけて、農業やガーデニングをする上で欠かせないアイテムの一つが「マルチ」と「農ポリ」。これらを使うタイミングを誤ると、作物の成長に影響を与えてしまうこともあります。
私も以前、農ポリとマルチを使い分けるのをうっかり間違えてしまい、費用に差が出てしまったことがありました。その経験から学んだことをシェアします。
農業や家庭菜園をしている方にとって、どちらを使うべきかを知っておくことは非常に大切です
正しい選択をして、安心してシーズンを迎えましょう!
- 農ポリとマルチの違いを理解できる
- 使い分けのタイミングと用途を把握できる
- 無駄な費用を抑えるために、どちらを選ぶべきかを知れる
- 効率的な作物の育て方が学べる
- 間違って使ってしまうリスクを避けられる
「このままだと損するかも…」という気持ちにかられたことがある方も多いはずです。今すぐ、農ポリとマルチの使い方をしっかり学んで、作物の成長を支えてあげましょう。
結論。使う場所が違います
- 農ポリ=ビニールハウス
- マルチ=畑
農ポリ(農業用ポリフィルム)は主にビニールハウスなどの温室で使用されます。ビニールハウス内では、温度を一定に保ち、作物が育ちやすい環境を提供するため、農ポリの高い保温性が必要です。農ポリは非常に耐久性が高く、風や雨にも強いので、外的な要因から作物を守る役割を果たします。
一方、マルチは畑の土壌をカバーするためのものです。マルチの主な役割は、土壌温度を安定させ、雑草を抑制し、乾燥を防ぐことです。これにより、作物の根が健全に育ち、余分な水分蒸発も防げます。土壌の上に敷くことで温度調整と湿度管理を行い、成長を促進します。マルチは特に土に直接触れるため、材質としては軽量なプラスチックやフィルムが使われます。
基本的に、農ポリは温度管理が求められる環境(ビニールハウス内)で使用し、マルチは土壌の保護を目的とする畑で使うのが最適です。
農ポリをマルチとして使うこともできますが、注意が必要です。農ポリはその厚さや材質のため、畑の土壌に合わず、通気性や湿気の管理が難しくなる場合があります。さらに、農ポリは高価であるため、畑で使用するにはコストパフォーマンスが悪いです。そのため、農ポリをマルチ代わりに使うのは避けた方が賢明です。
ポイント:農ポリをビニールハウス内で使用することで作物の保温効果を最大化し、マルチは土壌環境の安定化を目指して畑で使用するのがベストです。
マルチとは
玉ねぎ・キャベツ・白菜・ブロッコリーなどを植える時に土壌の上にかける物です。
主に土壌の温度をコントロールする事で作物の生育を助けるために使います。
防虫効果があるので農薬を減らせますし、土が乾いたり雑草が生えるのを防ぐ効果があります。
それに雨が土に当たらずに済むので畝が崩れることを防げます。
ほとんどの野菜はマルチをした方が良いです(ネギやニンジンなど種を筋撒きするのでマルチが不可なものを除く)
マルチの型番の見方
マルチには9515などの数字が書いてあります。これは幅と列数と株間が一目で見れるようになっています。
9(幅95cm)5(列数)15(株間15cm)という意味があります。覚えておくと購入する時に便利です。
穴が空いていないマルチもあります
自由に穴を開けたい場合は穴無しマルチを購入しましょう。意外と穴無しも人気ですよ。
幅による作物の違い
主に95cmと135cmがあります。ただ135cmは大きすぎてマルチをしても手が届かないのでオススメしません。
ホームセンターでは圧倒的に95cm幅のマルチが売れます。
95cm幅
たまねぎ・コマツナ・にんじん・春菊・ほうれん草・水菜・ルッコラ・さつまいも、ブロッコリー、白菜、キャベツ、カリフラワー、ピーマン。パプリカ、シシトウ、たかのつめ・大根・レタス・枝豆・えんどう・じゃがいも・とうもろこし・いちご・トマト、キュウリ、なす、パプリカ、ゴーヤ
条数(列数)による作物の違い
作物を植える列の数です。何列の穴が開いているかの数になります。
好みによって広めに取るのもありです。大きい作物を植える場合は少ない条数にします。
1条で植えるのが良い作物
さつまいも、ブロッコリー、白菜、キャベツ、カリフラワー、ピーマン。パプリカ、シシトウ、たかのつめ・トマト、キュウリ、なす、パプリカ、ゴーヤ
2条で植えるのが良い作物
大根・レタス・枝豆・えんどう・じゃがいも・とうもろこし・いちご
4条で植えるのが良い作物
たまねぎ・コマツナ・にんじん・春菊・ほうれん草・水菜・ルッコラ
条間による作物の違い
作物の列と列の間の距離です。大きな作物を作る場合には広めに取ります。
15cm間隔で植えるのが良い作物
たまねぎ・コマツナ・にんじん・春菊・ほうれん草・水菜・ルッコラ
45cm間隔で植えるのが良い作物
さつまいも、ブロッコリー、白菜、キャベツ、カリフラワー、ピーマン。パプリカ、シシトウ、たかのつめ・大根・レタス・枝豆・えんどう・じゃがいも・とうもろこし・いちご
50cm間隔で植えるのが良い作物
トマト、キュウリ、なす、パプリカ、ゴーヤ
株間による作物の違い
作物の間隔のことを指します。大きな野菜を植える場合は大きく取りましょう。
15cm間隔で植えるのが良い作物
たまねぎ・コマツナ・にんじん・春菊・ほうれん草・水菜・ルッコラ
45cm間隔で植えるのが良い作物
さつまいも、ブロッコリー、白菜、キャベツ、カリフラワー、ピーマン。パプリカ、シシトウ、たかのつめ・大根・レタス・枝豆・えんどう・じゃがいも・とうもろこし・いちご
50cm間隔で植えるのが良い作物
トマト、キュウリ、なす、パプリカ、ゴーヤ
穴の大きさによる作物の違い
これも大きな作物には大きい穴にします。
4.5cm程度の穴が良い作物
たまねぎ・コマツナ・にんじん・春菊・ほうれん草・水菜・ルッコラ
6cm程度の穴が良い作物
さつまいも、ブロッコリー、白菜、キャベツ、カリフラワー、ピーマン。パプリカ、シシトウ、たかのつめ・大根・レタス・枝豆・えんどう・じゃがいも・とうもろこし・いちご・トマト、キュウリ、なす、パプリカ、ゴーヤ
色での効果の違い
黒色
光を遮断出来るので雑草対策効果は1番高いです。それに必要以上に地温を上げるのを防ぐことが出来ます。
春・秋に使えます。一般的なマルチで1番売れる色です。
透明
光を通すので地温上昇効果は1番高いです。微生物の繁殖を促したり肥料の分解を促進すると様々な効果があります。
ただ光を通すので雑草が生えてしまいます。春・秋・冬と幅広い時期に使えます。
緑色
光を遮断出来るので雑草対策になる。害虫を退避させる
シルバー
光を反射するのでアブラムシやウリハムシなどの害虫が寄り付くのを防げますし雑草を生えにくくする効果があります。
地温上昇効果は無いので夏に使いやすいです。
マルチの張り方
※サントリーフラワーズより
- クワで畑に10cmくらいの高さに畝を作って、その上にマルチをかけます。
- かけたら風で飛ばないようにマルチ押さえをするか土をかけましょう。
- マルチにハサミで穴を開けます。専用の穴あけ器も売ってますし最初から穴が開いているマルチも売っています。
- 開けた穴に作物を植えます
防虫対策・防草対策・病気を減らす効果など様々な効果があるマルチですがキチンと張らなければ効果は薄れてしまいます。
風でめくれてしまったりキチンと土を覆っていなければダメです。
マルチの幅は95〜135cmのがあります。95cmのマルチは70cm未満の畝幅に使用しましょう。
左右に10cmくらいの余裕をもたせることで畝の高さの所までマルチで覆うことが出来ます。
用意するもの
マルチ
マルチ押さえ
マルチの上から刺してマルチを固定するために使います。
はさみ又は穴あけ器
マルチに穴を開ける道具です。手で開けるとほつれてしまうので専用の道具を使ったほうがキレイに開けられますよは
クワ
畝を作るために使用します。シャベルより作業しやすいですよ。
農ポリとは
「農業用ポリオレフィン系特殊フィルム」の略で主にビニールハウスのビニールとして使います。
農ポリは保温性が高くてビニールハウスの中の温度を一定に保つ力があります。
耐久性も高いので破れにくいので安心です。マルチと同じように使う事も出来るので幅広い用途に使えますね。
注意ポイント
産業廃棄物なので個人で燃やしたりして処分するのは禁止されています。自治体の処分方法に従いましょう。
ビニールハウスの建て方
※全農YouTubeより
上の動画の通りビニールハウスを建てるのは、とても大変てす。
6人がかりでも半日はかかるでしょう。なので家庭菜園用には小さくて簡単なビニールハウスセットが売っていますので、それを使うのも良いかもしれません。
広さが物足りない方は畑をレンタルするという手もあります。
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