ある日、庭のイチジクの根元にポロポロと木くずのようなものが落ちているのを見つけました。最初は「風で何か飛んできたのかな?」くらいにしか思っていなかったのですが、後になって、それがカミキリムシの幼虫が出す“フラス”だと知って背筋がゾッとしました。気づいた時にはすでに幹の中はスカスカ…。その木は回復できませんでした。
今思えば、もっと早くに対策しておけばよかったと後悔しています。特にカミキリムシは外からでは見えない「中の被害」が深刻なので、放っておくと取り返しがつきません。「うちは大丈夫」と思っている方ほど、すぐにチェックしてほしいです。
このページでは、私自身の失敗とそこから学んだ対策法をまとめています。市販の殺虫剤やネット対策、剪定のタイミングまで、初心者の方でも実践できるように丁寧に解説しました。特にイチジクや柿など果樹を育てている方は要注意です。
このままだとあなたの大切な木も枯れてしまうかもしれません。この記事を読んで、できることから始めてみてください。
▼この記事を読むとわかること
- カミキリムシの発生時期やフラスの見つけ方
- 木の中にいる幼虫を確実に駆除する方法
- イチジクなど果樹に使える安全な農薬3選
- 殺虫剤を使わずにできる自然派対策のやり方
- カミキリムシを毎年出さないための予防策
この方法でダメなら業者に相談するのも1つの手です。こちらに記事で紹介しています。
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カミキリムシとは?被害と発生時期を知ろう
カミキリムシは木の幹を食い荒らす害虫として知られていますが、その生態や被害の出方はあまり知られていません。この章では、カミキリムシの正体から、どんな木が狙われやすいのか、そしていつ出やすいのかまで、基礎知識をわかりやすく解説します。
カミキリムシとはどんな虫?種類と生態
カミキリムシは「カミキリムシ科」に属する甲虫の仲間で、日本には800種類以上が生息しています。成虫は木の幹に産卵し、孵化した幼虫が木の内部を食い荒らすことで、大きな被害をもたらします。
名称 | 特徴 | 被害の程度 |
---|---|---|
ゴマダラカミキリ | 黒地に白い斑点、代表的な種類 | 高い(果樹や庭木に多い) |
ミヤマカミキリ | やや大型、森林地帯に生息 | 中程度(山林中心) |

カミキリムシが好む樹木と被害の出やすい場所
カミキリムシはどんな木にもつくわけではありません。特に好んで狙う木の種類があり、庭木や果樹の中でも「柔らかい幹」や「樹皮が傷ついている木」が標的になります。
- イチジク、カキ、モモなどの果樹
- サクラやウメなどの観賞用庭木
- 幹が細くて樹皮がめくれやすい若木
- 剪定後や病気などで弱った木

カミキリムシの発生時期と活動ピーク【5月〜9月】
カミキリムシの活動は主に初夏から真夏にかけてピークを迎えます。成虫が飛来して産卵し、すぐに幼虫が木の内部で成長を始めるため、この時期の対策がとても重要です。
- 5月:成虫の飛来が始まる
- 6〜7月:産卵シーズン
- 8〜9月:幼虫が内部で活発に活動
- 10月以降:活動が鈍くなり冬眠に入る

幹に小さな穴・おがくず…それ「フラス」かも?
木の根元や幹の表面に、ポロポロとした「木くず」のようなものが落ちていたら要注意。それはカミキリムシの幼虫が木の内部を食い荒らして出す「フラス(食べかす)」の可能性があります。
フラスの特徴 | 見つけやすい場所 |
---|---|
細かいおがくずのような見た目 | 幹の根元や割れ目、枝の付け根 |
湿っているときは褐色でべたつく | 風通しの悪い部分に溜まりやすい |

これだけ覚えておけばOK!
カミキリムシの駆除方法|元ホームセンター店長の実践法
カミキリムシは早期発見と迅速な駆除が被害を最小限に抑える鍵です。
この章では、私がホームセンター勤務時代に実践してきた「成虫と幼虫を確実に駆除する方法」をわかりやすく解説します。専用の道具や薬剤を使ったテクニックも紹介しますので、初心者の方でも安心して対応できます。
成虫の殺し方|物理駆除と捕獲のコツ
成虫は見つけたときがチャンスです。素早く動くため、躊躇していると逃げられてしまいます。以下のような道具を使って確実に仕留めましょう。
- 剪定バサミで幹ごとカット
- トングやピンセットでつかんで潰す
- 虫取り網で捕まえて袋の中で処理
- 粘着トラップに誘引して捕獲

幼虫の殺し方|殺虫剤を木の穴に注入する方法
フラス(木くず)がある場合、その中に幼虫が潜んでいる可能性大です。以下の手順で確実に駆除できます。
- フラスを見つけたら、穴を特定
- 専用の注入式殺虫剤(例:園芸用キンチョールE)を用意
- ノズルを穴に差し込み、薬剤を注入
- 注入後は粘土やパテで穴をふさぐ
穴をふさぐには?トップジンMペーストの活用法
薬剤を注入した後は、幼虫が外に出たり新たに入ったりしないよう、穴をしっかりふさぐ必要があります。以下の素材がおすすめです。
ただ消毒が必要なので、トップジンMペーストなどで消毒してからにしましょう。
素材 | 特徴 | メリット |
---|---|---|
園芸用粘土 | 柔らかくて扱いやすい | 密閉性が高く水にも強い |
木工用ボンド | 乾くと硬化する | 簡単で安価、すぐ固まる |
エポキシパテ | 強度が非常に高い | 大きな穴にも対応可能 |

駆除作業のタイミングと注意点
駆除は時期を外すと効果が激減します。ベストなタイミングを見極めて対処しましょう。
- 成虫の駆除:5〜7月の朝方・夕方
- 幼虫の駆除:6〜9月、フラスを見つけた直後
- 薬剤注入:曇りや風の少ない日を選ぶ
- 注意点:肌や目に薬剤がつかないよう保護を徹底

駆除に使える道具一覧|スプレー・注射器・粘土など
ここでは、駆除作業に役立つ道具を一覧でご紹介します。どれも市販で手に入るものばかりです。
アイテム | 用途 | 価格帯(目安) |
---|---|---|
カミキリムシ用注入殺虫剤 | 幼虫を直接駆除 | 1,000〜2,000円 |
注射器・細ノズル | 狭い穴への注入 | 100〜500円 |
園芸用粘土 | 穴の密閉に使用 | 300〜800円 |
防虫手袋・マスク | 薬剤から身を守る | 500〜1,000円 |

これだけ覚えておけばOK!
おすすめのカミキリムシ殺虫剤・駆除剤ランキング
カミキリムシ対策には、「どんな殺虫剤をどう使うか」が最重要ポイントです。この章では、用途別におすすめの薬剤を紹介しながら、効果的な使い方や注意点を解説します。注入型・散布型・トラップ型など、それぞれの特徴を押さえて、最適な1本を見つけてください。
殺虫剤の選び方
まずは、殺虫剤を「どの段階で使うか」「どの効果を求めるか」によって分けて考えましょう。
タイプ | 対象 | 主な使い方 |
---|---|---|
注入剤 | 木の中の幼虫 | 穴に直接注入し内部で駆除 |
スプレー剤 | 成虫(外にいる虫) | 成虫に直接吹きかけて殺虫 |
液体農薬 | 木全体、予防 | 幹や枝全体に散布して予防 |
トラップ型 | 成虫(飛来防止) | 誘引剤でおびき寄せて捕獲 |

キンチョールE|穴に直接注入して効果絶大
最も効果が高いとされているのが「注入型殺虫剤」です。木の穴から直接幼虫を狙うため、確実性が高く、再発防止にもつながります。
- ノズル付きで奥まで薬剤が届く
- 1本で数か所処理可能な高コスパ
- 幼虫駆除に特化しているため成虫には不向き
- 注入後は粘土などでしっかり穴をふさぐ必要あり

スミチオン乳剤などの農薬系|庭全体に散布したい方に
スミチオンなどの農薬タイプは、広範囲に使えるのが最大のメリットです。樹木全体や複数本の木に予防的に使用するのに向いています。
商品名 | 希釈倍率 | 対象 |
---|---|---|
スミチオン乳剤 | 500〜1,000倍 | 成虫・予防 |

虫コロリアース|成虫対策におすすめ
目に見える成虫には「スプレー型」や「トラップ型」がおすすめです。特に早朝や夕方、活動が鈍っている時間帯が狙い目です。
- スプレーは即効性があるが、届かないと無力
- トラップ型は放置でOK、成虫飛来を抑制
- 粘着タイプは屋外でも長持ち
- 誘引剤付きのものは効果が高い

【2025年版】市販で買える人気殺虫剤ベスト4
2025年現在、Amazonやホームセンターで高評価を得ている人気殺虫剤をランキング形式で紹介します。
順位 |
商品名 |
タイプ |
特徴 |
---|---|---|---|
1位 |
キンチョールE |
注入型 |
細いノズルで深部まで届く |
2位 |
スミチオン乳剤 |
液体農薬 |
幅広い害虫に対応・コスパ良 |
3位 |
虫コロリアース |
スプレー |
即効性と広範囲噴霧が特徴 |
4位 |
虫コロリアース駆除エサ剤 |
トラップ |
家庭用でも十分な威力 |

効果を最大化する併用テクニック
殺虫剤は単体でも効果がありますが、以下のように併用するとより効果的です。
- 注入剤+粘土ふさぎで幼虫完全駆除
- 農薬散布+トラップで再発予防
- スプレーは見かけた時に即対応
- 駆除後は木の健康維持(剪定・肥料)も重要

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イチジク・果樹に使える安全な農薬は?
カミキリムシ対策で農薬を使うときに特に注意が必要なのが「果樹」や「家庭菜園の木」です。食べ物になる実に影響が出ないよう、安全性や使用タイミングには細心の注意を払いましょう。この章では、イチジクを例に、使える農薬や無農薬での対策方法も紹介します。
果樹への農薬使用は要注意!家庭菜園向けに選ぶコツ
果樹に農薬を使用する際は、「収穫までの日数」や「毒性の低さ」に注目しましょう。一般家庭での使用に適した農薬は限られています。
- 「家庭園芸用」と明記された商品を選ぶ
- 使用回数・散布間隔を守る
- 収穫の14日前までには使用を終える
- 安全性の高いピレスロイド系などがおすすめ

無農薬派のための対策法|防風ネット
農薬をできるだけ使いたくない方には、物理的な防除法がおすすめです。成虫の飛来・産卵を防ぎつつ、木の健康を保てます。
- 幹にネットを巻いて産卵を防ぐ
- ガードテープで幹を保護し物理バリアに
- 定期的な剪定で成虫の隠れ場所をなくす
- フラス(木くず)を見つけたら即対処

散布の時期と間隔|実がなる前にやるべきこと
果樹への薬剤散布は、タイミングが命です。収穫直前の使用は避け、被害が出る前の「予防的散布」が基本になります。
- 春(4〜5月):成虫飛来前に1回目を散布
- 6月:産卵時期に2回目の散布
- 以降は収穫時期に応じて調整
- 収穫2週間前までには農薬使用を終える

これだけ覚えておけばOK!
カミキリムシの予防方法|発生前にできる対策
カミキリムシの被害を防ぐには、「見つけてから駆除」よりも「発生させない対策」が何より重要です。特に春から初夏にかけての予防は、木の健康維持と長期的な防虫に効果的です。この章では、農薬の使い方、ネットやテープの設置方法、清掃や剪定などの物理的対策まで網羅的にご紹介します。
予防薬剤の種類と使い方|スミチオン・マラソン乳剤
殺虫剤の中でも、予防に向いているのが「広範囲に散布できる農薬タイプ」です。特にスミチオン乳剤やマラソン乳剤は、家庭でも扱いやすく、効果も安定しています。
農薬名 | 特徴 | 効果のある対象 |
---|---|---|
スミチオン乳剤 | 幅広い害虫に対応、予防力も高い | カミキリムシ、アブラムシなど |
マラソン乳剤 | ピレスロイド系、刺激が少なく家庭向け | 主に成虫の飛来予防 |

春〜初夏にやるべき「先回り防除」
カミキリムシは5月ごろから成虫が飛来し始めるため、その前に「先回り防除」を行うのがベストです。以下の対策を春先から実行しましょう。
- 4月中旬〜5月初旬にスミチオンを1回目散布
- 2週間後に2回目を散布し、効果を持続
- 幹や枝の表面にもまんべんなく薬剤をかける
- 土壌や根元にも軽くスプレーしておく

成虫の侵入を防ぐネット・幹巻きテープの使い方
薬剤に頼らず予防したい方には、物理バリアが効果的です。防風ネットや幹巻きテープを使えば、成虫が産卵しにくくなります。
- 通気性のある防虫ネットを幹の下部に巻く
- ガードテープは巻き終わりをテープでしっかり固定
- 木の分岐点や根元に隙間ができないよう注意
- 定期的にチェックしてゆるみや破れがないか確認

フラスが出る前にやる!剪定・幹の清掃で防ぐ
見落とされがちですが、木の清掃や剪定も立派な「予防対策」です。特に古くなった枝や傷んだ部分は、カミキリムシが狙いやすいため、早めに処理しましょう。
- 剪定は冬〜春のうちに済ませておく
- 枯れ枝や幹の割れ目を優先的に除去
- 幹の表面をブラシなどで軽く掃除する
- 樹皮の隙間に虫がいないかも確認

これだけ覚えておけばOK!
よくある質問(FAQ)
カミキリムシ対策をしていると、「これって大丈夫?」「見えない虫はどうしたらいいの?」といった不安が出てくるものです。この章では、読者の方からよく寄せられる疑問にお答えしながら、より安心して駆除・予防に取り組めるように解説していきます。
フラスが出てるけど虫が見当たらない場合は?
フラス(木くず)が出ている場合、木の内部に幼虫が潜んでいる可能性が高いです。見た目に虫がいなくても油断は禁物です。
- フラスがある=中に幼虫がいるサイン
- 穴に薬剤を注入して対応
- 見た目にいなくても数日間は動き回る
- 注入後は粘土などでしっかり密閉

木の中にいる幼虫を確実に駆除する方法は?
内部に潜んだ幼虫は、外からではわかりにくく対処が難しいですが、以下の方法で効果的に駆除できます。
- 穴に専用注入剤(カミキラーなど)を使う
- 細いノズルを使い、奥までしっかり注入
- 注入後は速やかに穴をふさぐ
- 数日後に再度フラスが出ていないか確認

殺虫剤を使わない・自然派対策だけで駆除できる?
完全な駆除は難しいものの、ある程度の予防や抑制は自然派でも可能です。以下の方法を組み合わせて使うのが効果的です。
- 成虫の産卵防止にネットやテープを巻く
- 木の表面をブラッシングして清潔に保つ
- 剪定で古い枝を取り除く
- フラスを見つけたら早期に物理駆除

駆除後の木のケア|再生のためにやるべきことは?
駆除したあとは木自体が弱っていることが多いため、しっかりケアしてあげましょう。
- 被害のある枝を剪定して軽くする
- 根元に有機肥料を施して栄養補給
- 水やりの頻度を安定させる
- 傷口に癒合剤を塗ると感染予防に◎

カミキリムシが毎年発生する…根本的な予防方法は?
毎年発生して困っている場合は、単発の駆除だけでは不十分です。以下のような「通年の対策」が必要です。
- 春から定期的に農薬を散布する
- ネットや幹巻きテープで産卵を防ぐ
- 秋〜冬に剪定と清掃を行う
- 樹勢を強めて「虫がつきにくい木」に育てる

これだけ覚えておけばOK!
まとめ|今すぐ始めるべきカミキリムシ対策
カミキリムシ対策は、「気づいたときには手遅れ」というケースも多いため、早めの行動が何よりも重要です。この章では、これまで紹介してきた内容の要点を整理し、初心者でも失敗しないスタートの切り方をお伝えします。
被害を最小限に抑える3つのポイント
対策が遅れてしまうと、木が中から食い荒らされ、最悪の場合枯れてしまいます。そうなる前に、以下の3つを押さえておきましょう。
- 春先に予防用の薬剤(スミチオンなど)を散布
- フラスを見つけたら、即キンチョールEなどの注入剤で対処
- ネットや幹巻きテープで物理的に産卵を防止

駆除と予防は同時進行が効果的
「駆除はフラスを見つけてから」「予防は春になったら」…と別々に考えがちですが、実際には両方を並行して行うのが理想的です。
- 見つけた虫は即時駆除
- 駆除と同時に、未発生の木にも予防策を講じる
- 薬剤+ネットのW対策が効果的
- 駆除後の木には剪定と肥料で再生ケアを

迷ったらこのセットでOK!初心者向けスターターキット
「何を揃えたらいいかわからない…」という方のために、最低限揃えておきたい基本グッズをまとめました。最初はセット購入もおすすめです。
アイテム | 用途 | 備考 |
---|---|---|
注入殺虫剤(キンチョールE等) | 幼虫駆除 | ノズル付きが便利 |
スミチオン乳剤 | 予防用散布 | 希釈して使用 |
園芸用粘土 or ボンド | 穴ふさぎ | 注入後に使用 |
防虫ネット・ガードテープ | 物理バリア | 巻き方に注意 |

これだけ覚えておけばOK!